人間関係改善の第一歩・自分を変える

人間関係がうまくいかないことで悩みをもっている場合、改善するためのいちばん手っ取り早い方法が、自分を変えるということです。
悩みで苦しい思いをしているのは自分なのに、自分を変えるなんていくらなんでも酷じゃないか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、変えるといっても性格をがらりと変えろと言っているのではありません。
人間というものに対する考え方を少しだけ変えるのです。

以下は以前に説明したことと多少似かよります。

人間には一人一人に個性というものがあり、同じ性格、同じ考え、同じ思考回路の人間は一人としていません。
自分だけの価値観で他人を見ていれば、いつか必ず意見がぶつかります。
それが人間関係の悩みの原因となり、下手をすれば老後にまで引きずってしまうことにも。
自分とは異なる価値観の人間と出くわしたならば、真っ向から意見勝負をするのではなく、そんな考え方もあるんだと参考にさせてもらいましょう。
見聞を広げるくらいのつもりで、その人の話を自ら進んで聞かせてもらえるようになればなお良いかと思います。

また、どうにもウマが合わない人間に出会ってしまった場合ですが、ウマが合わないというのもひとつの個性だと思ってください。
人にはそれぞれの個性があるのですから、世の中の人間全てと良い関係を築くことはできないのです。
その人が自分には納得の出来ない考えを持っているとしても、その人はそういう人間なのだと割り切ってしまいましょう。

「なんであの人はああなんだ!もっとこうなってくれたらいいのに」と、その人に変化を求める場合、本人に無理な要求だとかえってこちらが疲れるばかり。
凝り固まった考えでは、人間関係の悩みは増えるばかりです。

親鸞会で仏教を学ぶ知人が言っていました。
「自分が他人に対して不都合に思っているように、他人も自分に対して不都合に思っている何かがある」
確かに、立場を変えればそうだなぁ、と納得したことを覚えています。
あらゆる面でこんな人間もいるのだと知ることは、自分の思考を柔軟にすることにも繋がり、ひいては心身にかかる負担も軽減されるはずです。

上司と部下の関係

職場における人間関係の悩みというものは、友達や家族という関係での悩みとは違い、なかなかに厄介なものです。
友人関係なら間柄がぎくしゃくしてしまえば、しばらく会わずに時間を置いてもいいですし、家族なら話し合ったり、いっそのこと喧嘩をしてしまうことだってできます。
しかし職場での関係だと会わないわけにはいかず、仕事に支障をきたすことを思うと喧嘩なんてできるはずがなく、同様に話し合うことも難を極めますよね。

しかも、その相手が上司ともなると、もう人間関係の悩みもどうしようもなく……

部下の話に耳を貸さず、怒りに任せて部下を叱り付ける上司。
好き嫌いが激しく、部下に対する態度が人によってまったく異なる上司。
プライドが高く、体裁や仕事の出来ばかりを気にする上司。
人間関係を円滑にやっていこうと部下であるあなたが悩みながら努めても、上司にその気がなければ人間関係の円滑化は困難なものになるでしょう。
こちらが人間関係を良くしようと努めても、向こうは全く相手にしないのですから。
こういう場合は、対応変更。
こちらの考え方を変えましょう。

上司が今の立場にあるのは、それなりの努力と実力があったから。
ですが、上司も人間。
イライラすることもあるでしょう。
感情的になりやすい性格の人もあるでしょう。
いつどんな時でも、自分をコントロールできるようなスーパーマンみたいな上司は、そうそういるものではありません。
もしかしたら中間管理職の大変さでイライラしているのかもしれません。
もしかしたら取引先との交渉がうまく進まず焦っているのかもしれません。
仕事のストレスではなく、家庭で、夫婦の悩みなど何か人間関係やそれ以外での悩みなども抱えているのかもしれません。
それらによる苛立ちの矛先がたまたま部下に向けられたとも考えられます。

個人的な苛立ちを他人に向けるな!……という気がしないでもありませんが、それはそれで仕方がありません。
上司はきっと正しい人間関係の対処方法を知らずに大人になってしまったのです。
人間関係をうまく作れない人の中に、子ども時代の環境に問題があった人が多くあります。
その上司は、もしかしたら不憫な子供時代をすごしてきたのかもしれません。

「原因のない結果はない、これには万に一つ、億に一つも例外はない」と親鸞会で仏教を学ぶ知人から教えてもらったことがあります。
そのような態度をとる上司も、そうなる原因があるのは間違いありません。
自分を嫌う人は、誰も好きになれませんから、大切なことは、自分が上司を嫌わないようにすること。
そして、努力して上司のいいところを見つけましょう。それが、新たな道が開ける人間関係の第一歩となるに違いありません。

親子だって違う人間

子どもは往々にして生まれたときから親と共に過ごします。
だからでしょうか、子どものことなら何でも知っていると親が考えてしまうのは。

「この子が赤ん坊のときから見守ってきたのだから、この子の考えることはなんでもお見通し」
そう考えるのは間違いだということに気付かなければなりません。

親であれば誰でも、子どもの考えがお見通しなら、こんなに世の中、育児に悩みを持ち、苦しんでいる人間はないはずです。
我が子といえど、別々の人間。
異なる体、異なる心臓、異なる脳を持っています。
例え同じ環境で過ごしていても考え方は人間によって違うものですし、特に子どもともなると成長するにつれて思考回路はどんどん複雑になります。
理解しようとする努力は親として必要不可欠ですが、こう思っているに決まっていると決めつけて接しては、子どもに心の悩みを抱えさせる原因になりかねません。
その思い込みが激しいと、子どもを束縛し、苦しめることになってしまいます。
感性が豊かでのびのびとした子どもに育てるには、子どもも一人の人間であることを忘れてはいけません。

また、違う人間であることを念頭におかなければいけないのは、逆の立場においてもいえることです。
親なんだから自分の悩みは分かってくれているはず、と考えるのは勝手な思い込みにすぎないのです。

これらは親子関係以外でもいえることです。
どんなに似た環境におかれていても、たとえ性格が似ていても、違う人間である限り考え方は異なって当然です。
それが個性というものです。
自分の考え方を押し付けずに、それぞれの個性を尊重して、その上で理解しようと努めることが、親子関係をはじめとした人間関係を築く上でのポイントでしょう。